2022.09.14
知って得する国道情報 ~トンネル現場での神頼み・迷信・ゲン担ぎ
近年は、北海道開発局全体で新しい道路や橋・トンネルを作る工事が少なくなっており、職員数も減り、さまざまな分野を経験し、仕事を覚えて貰う流れに変わっていますが、
昔は、橋の現場を担当する監督員や、トンネルの現場を担当する人がおり、転勤しても同じ様な現場を担当になり、足を洗うことが出来ない蟻地獄のような時期がありました。
そのように橋やトンネル現場ばかり担当する人を橋屋さんや、トンネル屋さんと呼んでいました。
当時はトンネルエキスパートとして扱われていて、今では年をとったのでトンネルマスターの称号を与えられています。
トンネルに纏わる迷信みたいなものが存在します。
昭和の終わり頃までは相撲の土俵と同じようにトンネルも女人禁制でした。
平成の初め頃から、少しずつ緩和されてきて今ではほとんどの現場で女性の立ち入りができます。
何故、当時は、女人禁制だったのか?
山の神は女神で別の女の人がトンネルに入ると嫉妬で山を崩すと言われてきました。
昔から、トンネルを掘るのは炭鉱と同じで命がけの作業で神にもすがる思いだったようです。
このほかにも、トンネルで作業する人たちは汁かけご飯やお茶漬けを食べないと言う話があります。
これは、ご飯が汁で崩されるのが、トンネルの切羽(トンネルの掘削面)が湧水で崩れるのを連想させる、トンネル内で口笛を吹くと神様が口笛で踊り出し山が揺れる、坑内に犬を入れたり、犬の鳴き声が坑内に響くと、犬が嫌いな山の神が山を揺さぶり落盤させるなどの神頼み・迷信・ゲン担ぎがありました。
さらに、奥さんが出産したら数日はその主人は坑内に入れないと言うのもありました。これは、出産を山が割れると例えられていたようです。
また、トンネルのご利益話ですが、トンネルが貫通するときに発生した石を貫通石と言うのですが、古事記の中で出産時に貫通石を枕元に置くと安産で生まれたと記されていたり、学業成就にトンネルが意思(石)を貫くゴロ合わせなどでお守りとして使われているようです。
【出演】
佐藤 秀史
(北海道開発局釧路開発建設部 中標津道路事務所所長)
傳法 大志
(北海道開発局釧路開発建設部 中標津道路事務所 公務係員)
【提供】