2023.05.02
中標津論 ~ 令和5年度予算について その2
【みわ】今日はどのようなお話でしょうか。
【町長】先月に引き続いて令和5年度予算について。
【みわ】前回は支出についてでしたが、今回は収入もということでした。
【町長】そうですね、役場の予算は見た目、収入支出イコールになってます。
でも、実際には単年度でぴったりじゃない場合もありまして、その場合は、借金したり貯金を崩すし、余ればというか収入が多ければ貯金にまわします。
令和5年度の一般会計予算は161億円、ですが、昨年度予算化して今年使うのが9億円ほどあるので、実質169億円になります。
で、その他に病院や上下水道の企業会計というのが90億円と、牧場や介護保険などの特別会計が48億円あるので、全部足すと299億円で去年の予算化分をさらに足すと308億円となりますね。
これね、広報の4月号に掲載してありますね。
【みわ】私も見ました。町民一人当たりの行政経費がたしか70万円。
これって多いのでしょうか。
【町長】人口などによってずいぶん違うので、一概には言えない。類似団体の比較というのがありまして、主に人口かな、でも産業やその町の特性で見ると結構差があって、やはり違いはあります。
比較できるのはごみ処理経費とか、教育とか、これらも施設建設費を除くとだろうけどね。
【みわ】予算というのは年々増えているのでしょうか。今年は過去最高とありましたが。
【町長】確かに過去最高だけど、今年は広陵中学校の改修に17億円ほどかかってまして、通常だと少し多い。例年だと135億から145億の間くらい。
ですので、大きな施設を手掛ける年は当然多くなります。
でもね、別海町は広いし街が分散してるから経費多くかかると思います。根室市も庁舎建設で結構増額です。
【みわ】そもそもその予算ってどうやって決めるんですか?
【町長】今年始めて予算作るわけじゃないから、以前からやってることを参考に新しい取り組みや、継続して必要な事業を積み上げて、決めるんだね。
【みわ】それってピタッと合うんですか。
【町長】合わない。入ってくる金がある程度決まってるからそれに合わせる作業が必要。出された計画を全部OKしてると一気に借金増えるか貯金無くなる。
【みわ】そりゃあそうですよね、家計だってほしいもの全部買ってたらすぐ貯金無くなってしまいます。
町はどうやって調整するんですか?
【町長】今回のような大きな事業、広陵中学校の改修ですが、当然何年か計画で負担を決めてそれが可能かどうか検討するわけですね。
そのうえで実施します。
【みわ】そうですよね、何でもかんでもというわけには行かないのは当然です。
大体いくらぐらい圧縮するんですか。
【町長】そうだね、7~8億くらいじゃないかな。
【みわ】えっ、そんなに。
【町長】そう、そんなに。担当者も思いをぶつけてくるんだよね。やりたいこと。
でも、限りある予算なので、必要なもの積み上げると、今年は勘弁、ごめんねってことになる。
【みわ】でも、その中から新しい予算つけるって結構大変そうですけど。どうするんですか。
【町長】計画的に考えるのが一番大切で、建物なんかは一気にならないようにしたり、その時々の必要な施策・事業。
例えば、多文化共生・留学生支援とかは現在進行形で将来への人材確保の足掛かりですね。
【みわ】なるほど。バランスよく考えなくてはならない、ということですね。
【町長】全くその通り、なかなか真髄をとらえた言い方ですね。
【みわ】ありがとうございます。
時に、今年の予算では電気代が値上がりしたじゃないですか、あれってどのくらい影響あったんですか。
【町長】電気代と、燃料代で、令和5年度当初予算で、4年度比較すると、なななんと3割アップの14500万円。
特に病院は基本的には独立採算の企業会計で、こちらは医療単価が決まっているので勝手に値上げできない。ですので、光熱水費だけで3600万円増加。その他にも資材が上がってて、ちょっと辛い。
【みわ】一般家庭もオール電化の住宅は、1か月10万円の電気代と聞きましたが、どうなっちゃうでしょうか。
【町長】もっと大声で言ってみたら。
【みわ】安くなるんでしたら力の限り声を張り上げますが、多分何ともならないと思います。
円安だったり、燃料価格の高騰だったり。庶民には痛い話ばかりです。ついでに言いますけど、酪農情勢も厳しいし、鳥インフルで卵まで高騰、ほんとにどうなっちゃうんでしよう。
【町長】本当にそうだね。地域の産業が危機に陥ってる。
日本は輸入に頼っている部分が結構多いから、平時じゃ無くなると影響が大きい。
といってもすぐにどうなる話じゃない。
【みわ】中標津町の税収ってどうなんですか。多いとか少ないとか。
【町長】比較の方法にもよりますが、単純に額としては結構多いほうだと思う。全道の町村では額としては第2位。
【みわ】あっ結構すごいですね。ちなみにおいくら。
【町長】35億円に届くくらい。
【みわ】その額って毎年増えてるんですか、減ってるんですか。
【町長】微増ですね。2パーセント強。
【みわ】ちなみに一位ってどこですか。
【町長】音更町、あそこは人口45000人いますので、大きな町というか、市でもおかしくない。帯広に隣接してていろいろたくさんあるし。
【みわ】釧路町なんかも多そうですね。
【町長】多いほうの町ではあると思います。
【みわ】収入では町税が一番多いのですか。
【町長】町の税は2番目。
国から配分される地方交付税ってのがありまして、これが一番多い51億円。
【みわ】当然いろいろ計算して配分されるのでしょうけど、交付税の配分の方法をわかりやすく教えてください。
【町長】簡単に言うと、中標津町を運営していくために基本となる事業を足し上げて、そこから税金などを引いて、足りない額が配分される。
でも、一時期は減ったこともあるので計算方法は国の財政状況と連動しているともいえる。
【みわ】こちらも増えているのでしょうか減っているのでしょうか。
【町長】少し増えてる。あと、交付税には2種類あって、今説明した普通交付税と災害や除雪など緊急的に必要になった需要に対して配分される、特別交付税というのがあります。
こちらは減ったり増えたりしますね。
特に今年の場合、ふるさと納税で収入の多かった自治体の特別交付税は減りました。
【みわ】ふるさと納税ですか。出ましたね。中標津町は昨年はどのくらいあったのでしようか。
【町長】1億2千万くらいだったかな、ここんとこ数年同じくらい。
【みわ】確か、ふるさと納税を増やすために去年新しい係を作りましたよね。
【町長】その通りですが、まだ結果が出てない、もう少し暖かい目で見てて。
【みわ】根室市がすごいですよね。あと白糠、別海も結構な額になってる。
周りが稼ぐもんだから風当たりが強いんでしょうねぇ。
【町長】当然、ないよりはあった方が断然いい。あの手この手で増やそうと鋭意努力中。
【みわ】予算の161億円のうち、今まで話したのを足すと、87億ほどになりますが、残りの収入を教えてください。
【町長】まず、借金が19億円。いろんな事業するのに国からお金借ります。広陵中学校の改修で今年は少し多い。
そして、国や北海道からの補助金、いろんな事業をするときに3割とか5割の補助をもらいます。こちらが、26億円。
あと繰入金、これは町の貯金の取り崩しが、9億円。
残りの20億円は細かい部分の積み上げで、公共施設の使用料とか、消費税の分担金とか、町有林の木を売るなどの財産処分とかです。
【みわ】ちなみに、町の借金てどのくらいあるんですか。
【町長】5年度末で188億円になります。町民一人当たり82万円くらいかな。
【みわ】それって多い?
【町長】多いか少ないかというよりは、国の示しているいろんな計算式がありまして、そこに当てはめると適正範囲に入ってます。
いわゆる、健全財政を保っているということですね。
【みわ】先ほど言ってた地方交付税ですが、足りないからくれる、ということは足りてるとくれない、ということですよね。そんなところってあるんですか?
【町長】ありますよ、北海道に一つ、泊村。青森県に一つ六ケ所村。川崎市もそう。
全国で70くらいあったはず。
【みわ】なるほどあるんですね。
北海道で一番税収があるのは札幌市のような気がしますが、少ないところってどのくらいの税収なんでしょうか。
【町長】調べたところ、1億円に少し届かない。
【みわ】えっ。でも、役場があって、議会があって、いろいろありますよね。
【町長】当然あります。そのための地方交付税ですよ。
【みわ】なるほど、全国の町村小さくても収入が少なくてもそれなりのサービスが受けられるようになってる、という制度ですね。
【町長】そう、この制度ないと困るんですね。あと、過疎地域の指定を受けると特別な優遇借入制度もあります。
【みわ】中標津は借りれるんですか?
【町長】対象にはなってない、借りれるといいなとは思うけど、過疎でいいかというとちょっと。
【みわ】そうですよね、今日はありがとうございました。
【中標津論】
西村中標津町長をお迎えして、町政などの真面目なお話から、
趣味やおすすめ情報などざっくばらんにお話を伺います。
毎月第1月曜日12時台本放送、翌火曜日7時台に再放送