Program blog 番組ブログ

  1. 知って得する国道情報 ~ 標津橋 50番目の土木遺産に認定

知って得する国道情報 ~ 標津橋 50番目の土木遺産に認定

昨年の11月18日公益社団法人土木学会北海道支部主催の選奨土木遺産認定式が開催され、標津橋が北海道内で50番目の土木遺産に認定されました。

 

この土木遺産制度は平成12年に設立され、推薦及び一般公募により、年間20件程度認定されてきています。令和4年は全国で23件認定されており、その内の1件がこの標津橋になります。

 

この写真の橋名版の下に付いているのが土木遺産のプレート。標津橋の羅臼側に付いています。興味のある方は観に来て見てください。

この標津橋は、1960年(昭和35年)3月、融水期であったことから記録的な水位となり、先代標津橋が流失してしまいました。災害を視察に来た、猪瀬北海道開発局長が直ちに永久橋に架け替えることを決定したと記されてます。その後、新しい標津橋が昭和37年に完成しましたが、その時の標津橋の橋長は128mでした。昭和61年に堤防整備に伴って、橋長が延伸され、現在の橋長213mとなっていますが、土木遺産として認定された範囲は昭和37年当時の128m区間となっています。これは、認定対象が竣工後50年以上経過した物と言う条件があるからです。

 

戦後の北海道の橋梁に影響を与えた猪瀬寧雄氏(元北海道開発局長・北海道開発事務次官)は、1956年(昭和31年)にヨーロッパの橋梁を視察しています。


帰国後、ここで得られた知見をいくつかの北海道の橋梁に適用したと述べており、その一つが標津橋となっております。又、本橋の中央径間はわが国最初の形式で世界的にもほとんど例がない支間 60m のフィーレンデール・タイドアーチを採用するとともに、北海道で初めて大型コンピュータで解析された橋です 。

 

当時としては、北海道内の複数の橋梁で採用されたプレストレスによる応力調整も行われるなどの技術的挑戦もなされています。見た目では分からないのですが、下部構造についても、当該地区の軟弱地盤と高い地下水位を克服するため釧路開発建設部管内で初の鋼管杭基礎(オープンケーソンによる締切り)が採用されているほか、当時としては北海道内で最深のケーソン基礎も採用されています。

 

標津橋のアーチリブにフィーレンデール形式を用いた二重構造は、同形式の橋梁として世界的にみても希少なデザインと言えます。

標津橋の土木遺産カード。

50番目に土木遺産登録されたので50と記載されています。

 

釧路開発建設部中標津道路事務所では、平日の9時~12時と13時~17時の間で配布しておりますので興味のある方はお越しください。又、標津町生涯学習センターあすぱるにおいても配布しております。こちらは休館日の12/31~1/5日を除いた、9:00~17:30の時間帯で配布しております。