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  1. 知って得する国道情報 ~ 道路の防災に関する取組について

知って得する国道情報 ~ 道路の防災に関する取組について

釧根地方道路防災連絡協議会について。

釧路・根室管内の地方自治体及び関係機関が相互に連携を図り、道路における地域防災パートナーシップを構築し、道路災害の防止や災害発生時の被害拡大の防止等を目的とした協議会。

釧路開発建設部、釧路建設管理部、振興局、管内の13の自治体、警察、消防、気象台、自衛隊、交通事業者、観光協会、ライフライン事業者など、釧路・根室管内の59機関で構成してます。

協議会は例年6月と11月の年2回開催し、各機関から道路防災に関連する取り組みの情報発信や意見交換等を行っています。

6月協議会の代表的なところでは、日本海溝・千島海溝周辺の海溝型地震についてです。今後30年以内に超巨大地震M8.8程度以上の発生確率が7~40%と危惧されており、今年7月には北海道から日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震での太平洋沿岸地域の建物、人的、インフラやライフラインなどの被害想定が公表されており、沿岸沿いは甚大な被害が想定されてます。(中標津町近郊では、お隣の標津町や別海町沿岸地域)。

このような大規模自然災害が発生した場合、応急復旧をする前に、救命救助、緊急車両通行のための救援ルートを確保する必要があり、迅速に対応するためには、国や北海道、各自治体の道路管理者や関係機関の連携が必要となり、検討状況や進捗状況など協議会に共有してます。

協議会のメンバーの釧路気象台から、気象庁発表の地震・津波情報など、その活用や備えについて、講義をいただき情報活用の理解を深める取り組みをしています。

また、津波警報発表時の進入規制箇所を避難計画に役立て頂くよう発信しています。

今年は「厚岸グルメパーク」で大規模地震・津波発生を想定した道の駅防災訓練を、厚岸町、警察署、消防署、北電、建設業協会の参加で、防災資機材の稼働、情報伝達訓練、道路啓開実演演習を行い関係機関の連携を図りました。

次に、11月に開催した協議会では、主に暴風雪対応について情報交換します。本格シーズンを迎え、大雪時の交通確保に対する考え方について、従来は「自ら管理する道路をできるだけ通行止めにしないこと」「道路ネットワーク機能への影響を最小化」を目標として対応してましたが、大規模な車両滞留や長時間の通行止めが繰り返し発生している現状を踏まえ、現在は「人命を最優先に、幹線道路上での大規模な車両滞留を徹底的に回避すること」を基本的な考えとして、冬期道路交通確保対策委員会から令和3年に示されました。

釧根地方でも平成253月には道東地方広域にわたり急激に発達した低気圧により猛吹雪となり、甚大な被害をもたらしました。

大雪時の取り組みの一環として、国道・道道の予防的通行規制区間の情報や、タイムラインなどの共有を通じ連携を図ってます。

令和3年度冬期の釧路・根室管内では暴風雪のため、1月に1回、2月に1回、3月に2回と国道の広い範囲で通行止めを実施することになりましたが、道路利用者へのツイッターなどを活用した情報提供を行い、大きな混乱はなかったかと思います。

数年に一度の猛吹雪が予想される場合、急な登り坂で大型車が立ち往生しやすい区間を設定し、大規模な立ち往生の発生による通行止めの長期化を防ぐため早い段階で通行止めをし、立ち往生車両を未然に防止し、除雪後に早期の交通確保を図ることの取り組みで、全道では26区間、釧根地方では、R240釧北峠、R241永山峠、R243美幌峠、R244根北峠、R391野上峠の5峠を設定しています。

 

次に、北海道道路メンテナンス会議釧根地方会議についてです。

各道路管理者が効果的・効率的な道路構造物の維持管理を行っていくために設立された会議です。

 

組織は釧路開発建設部、釧路建設管理部と管内の13の自治体で構成しています。釧根地方の道路管理を効果的に行い、円滑な道路管理の促進を図ることを目的に、道路施設の維持管理等に係る情報や道路施設の点検、修繕計画等の把握調整、損傷事例や技術基準の共有に関することを議題として、年2回開催してます。また、技術力の醸成として、橋の点検時の着目点など現地講習会を実施しています。希望により札幌となりますが技術研修を行ってます。

道路メンテナンス会議では、道路利用者のみなさまに道路インフラの現状や老朽化対策についてご理解を頂くため、点検の実施状況や結果などを「道路メンテナンス年報として」国土交通省のHPで公表されてますので、一度ご覧ください。


【出演】

佐藤 泰規

(北海道開発局釧路開発建設部 釧路開発建設部 道路防災推進官)

【提供】

北海道開発局釧路開発建設部中標津道路事務所