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  1. 中標津論 ~職員募集について

中標津論 ~職員募集について

 

【町長】今日は労働力不足について。

【Miwa】以前お話してた人口減少の影響が近い将来は労働力の不足が大きな問題になると。

【町長】実は最近新聞に役場の職員募集記事が結構載ってるなと思ってね。

わが役場も当然採用試験はするのですよ。で、合格者が出る。採用通知を出す。

ここからが問題。

【Miwa】辞退者が多い。

【町長】合格しても、当然併願してるから、第一志望に合格したらそっちに行っちゃう。特に、他地域から受ける人は地元や札幌に就職が決まると辞退する。

【Miwa】地元の高校からの辞退はないのですか。

【町長】さすがにそれはない。

【Miwa】それでは全部高校から採用するってのはどうなんでしょ。

【町長】もちろん地元高校からも採用するのだけど、技術職も必要だし、いろんな血が欲しい訳ですよ。

【Miwa】募集記事は中標津だけじゃないですよね。

【町長】結構あちこち出てますね。同じ課題抱えてるなという気がします。こないだ海老名釧路市長とその話になったら、釧路市も苦労してるって言ってました。

【Miwa】釧路市あたりで苦労してるなら、周辺は推して知るべしですね、きっと。

【町長】そう、そして少子化はどんどん進み、労働者年齢層も少なくなるから、将来はもっと大変。

【Miwa】どうするんですか!

【町長】大きな課題ですよ。本当に困った問題。でも、働き手不足は役場だけじゃなくって民間も同じ課題を抱えてます。特に技術者不足。直接的に技術者が入社しないから自社養成してるって聞きました。

【Miwa】どうするんですか。

【町長】普通高校出た人を採用して、会社の費用で専門学校に進学させるというようなことです。

【Miwa】自分の金で進学しなくて済む。お互いの利害が一致する。

【町長】害かどうかはわかりませんが、利は一致してます。

【Miwa】役場もやったらどうですか。

【町長】実は近いことはもうやってる。

【Miwa】あっそうなんですか、どんな仕組みですか。

【町長】医療職の確保のために、町立病院に努めていただけれは返済不要の奨学金を出してます。

【Miwa】ちなみに、おいくらいただけるのでしょうか。

【町長】何種類かありますが、看護師だと毎月10万円。

【Miwa】返済義務の条件は?

【町長】一定年数を勤務すると返済免除です。

【Miwa】結構利用されてますか。

【町長】ありますね、ただしいろんな自治体でやってます。

それぞれ皆さん看護師や医療技術者は不足してますので。

【Miwa】そのほかの職種にはないのでしようか。

【町長】実は検討中。

【Miwa】事務職が不足するくらいですから、そういうことをどんどんしないと人は来ませんよね。

【町長】でも、やりすぎると過当競争になるでしょ、注意しなくちゃならない。

【Miwa】どんどん金額上がっても困りますしね。子供生まれたらいくらの世界になっても・・・。

【町長】話変わるけど、この間テレビ見てたら、IT関係だけど外国人技術者の給与は世界の中で日本てすごく安くなっていて人材来ないんだって。

合わせると日本人の給与が安くなっちゃう。

【Miwa】えー、そうなんですか。

【町長】サラリーマンの給与だって、お隣の韓国より安いって言われて、国会でもサラリーマンの給与上げるような方向で動いてるじゃない。

【Miwa】そうですよね。日本手いつの間にか置いてかれちゃってるんですね。なんでこんなんなっちゃったんでしょうか。

【町長】なかなか難しい。経済発展が遅いとか、中小企業が多すぎるとか、企業がため込んでるとか、労働者派遣がよくないとか、終身雇用が問題だとか色々ありますが、私は経済学者じゃないので正確なところよくわかりません。

【Miwa】世界に後れを取っているのは、ほっとくと大変なことになるんじゃないですか。

【町長】そんな気がする。先進国からおいてかれるとか、さすがにそこまではいかないけど。

賃金水準低いのは競争力にも影響するからね。

【Miwa】こういうことも職員募集に影響してます?

【町長】さあどうだろう、地域の企業の職員と給与比較したことはないけど、そんなに安いほうではないと思いますが・・・。

でも、公務員の給与って国家公務員がベースになってて管理されてるんですよね。ラスパイレス指数ってのがあって。一般事務職員は国家公務員の給与を100としてそれを超えると指導が入る。

【Miwa】そうなると、思い切った職員募集できませんね。

では、ほかの方法考えなくちゃなりません。で、ほかの方法は?

【町長】募集に関しては、現在町村会の統一試験を行っております。4町まとめて。

2年前までは、受けたい人来てください、という形。

【Miwa】今までのお話を聞いてると少しタカビーな雰囲気しますが。

【町長】そう思われても当然かな、それから、2年前に提案して札幌で試験しようということになりました。

こちらから札幌の大学に行ってる方もいるでしょ。そういう方もそうですし。

根室管内に興味のある方もいるでしょ。そういう方のために。旅費使わなくてもいいし。

【Miwa】効果ありました?

【町長】試験受ける人はいる。間違いなく、でも今年見てると辞退する人もいる。

なので、今度は東京でも 試験しようかと。

【Miwa】もっと網を広げるんですね。数打ちゃ当たる。

【町長】まっ、確かにそうなんだけど。それだけじゃだめで、こっちを見てくれる努力も必要。

【Miwa】そうですね、どんな町だかPRしないとわかんないですよね。

でも4町で合同試験するんですよね。わかりにくくありません?

【町長】そう、そこんとこは試験は4町だけどPRや準備はそれぞれしなくちゃならない。

【Miwa】優秀な人材確保するためには、努力が必要ということですね。

【町長】その通り。試験受ける人が、ああここは魅力あるなと思ってもらうような仕組みづくりが必要なのだと思います。

単にあこがれだけではなく、住みたくなる、仕事したくなるような街を見せることですね。

【Miwa】なかなか大変なことをしようというのですね。少子化や人口減少っていろんなとこに影響するんですね。

【町長】そんなこと思って、募集担当へはいろいろ考えてと言ってた矢先に、自治体関係の雑誌に地方自治体の職員が不足してる、募集を何とかしなくちゃという特集がありました。

【Miwa】まさにドンピシャじゃないですか。

今、私の目の前でその雑誌見てますが、自治体職員のための政策情報誌・プラクティス特集

「人材獲得競争」職員採用の戦略と戦術。

めくると、選ばれる市町村であるためにとあります。

こんな特集組まれるぐらいですから、大変なことになってるのでしょうか?

【町長】そういうことですね。

あとね、事務の簡素化とか、特にAIの利用促進。

それと、事務の広域化、すでに消防、ごみやし尿等は広域化されてますが、法律が同じ税や国保、介護保険など、一部観光もそうかな、これらを広域化して各自治体の事務を減らすことも必要かな。

【Miwa】でも、職員がいなくなることはないですよね。

【町長】そりゃそうです。ですから人口減少とともに地方自治体への職員募集はもっともっと大変になることが予想されます。

民間企業も同じように大変だと思うよ。

【Miwa】でも民間企業は合併しながらでも生き残りを図ること考えられますが、自治体はどうなんでしょうか。

【町長】前にも言ったけど、50人の職員の役場も1000人の職員のいる役場も、扱っている法律は同じ、大きな役場のほうがいろんな蓄積度合高くなるでしょ。

そういうことからは部門ごとの広域化っていう考え方は、今後出てくる可能性はあると思う。

でも、そこに行く前に、前段言った募集の仕方の工夫とか、魅力的な職場地域であることのアピールは必要だね。

【Miwa】選ばれる町役場、選ばれる自治体。一生住むための条件もありますよね。

そこが故郷だからだけではダメなんですね。

【町長】だから住みやすさは大切なの。収入と住むための条件。

【Miwa】はい、「住みやすさNO1のまち」目指して頑張りましょう。