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  1. 中標津論 ~ 農業について

中標津論 ~ 農業について

≪文字起こし記事≫

【みわ】今日はどのようなお話でしょうか。

【町長】今回はの農業について。

【みわ】そのテーマってやってませんでしたっけ?

【町長】ふれたことはあるけど、テーマにしたことはないはず。一応過去の分を見てみてたらありませんでしたので。多分、総合計画なんかでは触れてると思います。で、この地方の農業といえば。

【みわ】酪農です。一部畑作もありますが。

【町長】そう、酪農。どのくらいの規模だかわかる?

【みわ】乳牛4万頭、乳量20万トンてのは知ってます。

【町長】それってどのくらいの量?

【みわ】どのくらいといわれるとわかんない。

【町長】北海道の生乳生産量は400万トンなので北海道の5パーセントを占めています。

生産額でも220億円で、別海町に次いで第2位、北海道で第2位ということは全国で第2位。この後は、標茶町、浜中町、清水町、標津町と続きまして、地域全体が酪農地帯であるといえます。

【みわ】そのあたりは何となくわかります。

【町長】それと、農業という少しくくりを大きくすると、道内では別海町が670億円でダントツなのですが、2位以降は結構せってまして、2位の北見市が285億円、そのあと幕別町、帯広市、士幌町に続いて6位中標津町260億円となります。国内でも35位。

【みわ】中標津町って結構立派な農業の町じゃありませんか。見直しちゃいますね。

【町長】割と、案外そう思ってないというか、思われてないかもしれない。農業者以外は。

商業が盛んなので、そちらの方が有名かもしれない。

【みわ】ちなみに商業のほうはどうなんですか?

【町長】こちらはですね、860億円ほどありまして、平成26年の統計数字ですが、道内の町村では多分1位、恵庭市の数字に近い。

【みわ】それはそれですごいですね。商業も農業も盛んな町なんですね。数字で見るとよくわかりますね。なんかうれしい。

【町長】基礎的な数字を見るとベースとなる力といいますか、パワーがわかりますね。

あとは、そこをどういう風に見てるとか、どう展開が必要だとか、考える。

農業作目といえば、ほかに何がありますか?

【みわ】馬鈴薯、大根、ブロッコリー。あっビートもありますね。

【町長】もうない?みわさんの好きな、あれ。あたしゃあなたの・・・がいい。

【みわ】えっ?・・・あっ、ソバです。

【町長】最近は小麦や豆類もあるしね、順位としては馬鈴薯は32位、そばは14位、大根は15位という感じ。馬鈴薯生産はずいぶん古いのですが、ここんところ面積が減ってきてまして、以前はでんぷん原料用が多かったのですが、生食用や種子用、種芋ですね。というシフトがあります。

【みわ】以前に馬鈴薯の品種のお話したことがありましたけど、だいぶ変わったのでしょうか。

【町長】そういわれると思って調べてみましたが、聞いたことのない品種が1/3ほどあります。品種会利用は進んでいるということですね。

全部言いますが、まず、食用でワセシロ、伯爵ですね、つづいてインカのめざめ、メークイン、レッドムーン、キタアカリ。加工用として、とうや、はるか、きたひめ、オホーツクチップ。でんぷん用で、ムサマル、アーリースターチ、コナヒメ、コナユタカ、パールスターチ、アスタルテ、フリア、以上16品種でございます。

知ってる品種いくつありますか。

【みわ】伯爵、メークイン、レッドムーンに、きたあかり、とうやも知っています。

【町長】知ってる方だよね、結構。私は7種類。お好きな芋は?

【みわ】私は伯爵とレッドムーンが好きです。

【町長】これから収穫の季節ですのでお楽しみにしててください。あとね、品種を見てるとジャガイモの重要な病気があって、その抵抗性のある品種がずいぶん増えました。食用以外はすべて。変わったんだなぁと思いました。

続いて大根、ここ20年くらい前に新しい作物としてデビューいたしました。

【みわ】そうなんですか、もともとなかった。

【町長】そうですね、大根とブロッコリーはこんな面積ではなかった。特に大根はハーベスター、収穫機械の活躍が大きい。あれがなかったらやってなかったかもしれない。手で抜くのは重労働。

【みわ】でも、ビートは昔は手作業でしたよね。

【町長】そういわれるとそうですが、ビートは買い上げる場所があるけど、大根は民間流通だからそちらも大変。

売り先を探さなきゃいけない、そうなると品質管理が重要。そういう問題も一緒にクリアしなくてはならないのですね。

【みわ】なるほど、それがすべてうまくいったので始めたということですね。

でも、そういうのって市場価格だから上下が激しいんじゃありません。

【町長】いい質問ですね。その通りです。野菜ってすべての産地の出来がいいと価格が下がり、よくニンジンやキャベツを畑でつぶしてる映像があるじゃない。あれですよ。

中標津の大根も安い時期もあるのですが、大根は高原野菜、涼しいところの作物でちょうど今頃の時期は本州が暑いので北海道産が価格いいんですね。必ずそういう時期があるのでうまく行ってる。あとは高い時も安い時もうまく付き合ってくれる販売先ですね。

今年は雨が多くて品質はベストとは言えないけど品薄で価格はいいみたいですよ。

【みわ】大根だけに値がいい。

【町長】うまい落ちですね。

その他にも小麦や大向の作付けもあります。

コーンウイスキー作ろうという計画もあります。

【みわ】ウイスキーですか、とうきびからもできるんですね。

【町長】アメリカケンタッキー州で作るコーンウイスキーはバーボンといいます。

フランスシャンパーニュ地方で作るブドウの発泡酒をシャンパンといいます。

ブランド化されてるのですね。

【みわ】バーボンて平仮名で書いてコーンウイスキーと読ませるとか。

【町長】おもしろいですね。

【みわ】いつごろ飲めるんですか?

【町長】3年後か4年後を目指していると聞いております。

【みわ】お酒好きな西村町長としてはとっても楽しみなんじぁありません。

【町長】そりゃもう、夢は果てしなく広がりますねぇ楽しみです。

で、酪農に戻りまして、乳牛1頭当たりの平均乳量ですか、どのくらいあると思いますか。

【みわ】10000キロぐらいだと聞いたことがありますが。

【町長】計算値では9400キロ、ほぼ正解ですね、というか、農家によって差が大きいとも言えますし、飼い方によって乳量って変わりますので、放牧中心にしてる農場ですと5000キロもないし、沢山搾る方は10000キロ超えてます。一頭あたりでパワーのある牛は20000キロってのもいますからねぇ。スーパーカウといいます。

【みわ】そんな牛ばかりにすると、ものすごく経済的なんじゃないですかねぇ。

【町長】そういう牛を集めてる方もいるみたいだけど、そんなに簡単じゃないみたいですよ。

ホルスタインて乳をよく出すように改良が進んで、ここまできたのですが、挑戦はさらに進んでいます。

【みわ】といいますと。

【町長】牛の改良ってね、メス牛とオス牛を選抜して生むまで1年、生まれてから2年たつとようやく乳が出るじゃない、そうしないと能力ってわからない。はずなんだけど、生まれてすぐにその牛のゲノム解析をすると能力がわかっちゃうんだって。

【みわ】じゃあ、どのオスととの組み合わせがいいかって調べやすい。3年待たなくていいのなら毎年できる。

【町長】そう調べやすい。

【みわ】そこまでできるのなら、どの組み合わせがさらにいいかってのは、わかりそうなものですよね。

【町長】そこんとこまでは、どうなんでしょうね。同じ雄雌で繁殖しても一頭一頭違うんでしょうね。人間だってそうでしょ、兄弟姉妹似ているけど顔もスタイルも少しずつ違う。

全く同じにしようと思ったらクローンだよね。

【みわ】確かに、神の領域になってしまうわけですね、でも、なんか研究してそうな気もしますけど。

【町長】さあ、どうでしょう。今度聞いときます。

その他にも、雌雄判別精液ってのがありまして、ほぼメスだけ生まれるし、それ以外は和牛の雑種作ったり、和牛の凍結受精卵移植したり。

あと新しい取り組みでは、クロスブリーディングといいまして、3種類の乳用種を順次交配してあえて雑種を作る。雑種強勢って聞いたことあるでしょ。

【みわ】それがこれからの流行ですか。

【町長】ヨーロッパの技術らしいですね、取り入れてる農家の在りますけど、まだわからない。ホルスタイン自体も作られた品種ですので、血が濃くなっているとの説です。

日本のホルスタインは北米型といいまして、体が大きくて乳量が多い。もともとホルスタインはオランダとかドイツのあたり発生で、ヨーロッパは肉兼用として扱われているらしい。

【みわ】和牛は血統って言いますよね。それとはまた違うのでしょうか。

【町長】言いますね、確かに血統と。残念ながらよくわからない。町内でも飼育してる農家ありますが、あまり多くないし、肥育までせずにほぼ育成で販売してます。

【みわ】肥育しない理由ってあるんですか。

【町長】肥育するってことは和牛の場合ブランド化するということなのですね、有名になる技術が必要。育成の場合はブランドはいらない、売られていった地方で名がつく。

土地も広く、放牧するので足腰強い。育成に有利な条件そろってるみたいですよ。

【みわ】ブランド牛あると、ふるさと納税で売れるんじゃありません。

【町長】それはその通り。和牛の雑種を「開陽黒牛」という名前で売ってます。人気ありますが、流通量があまり多くない。なかなかいろいろありまして。

【みわ】課題多いんですね、と言ってるまにそろそろ時間です。もう少し聞きたいところですがまたということで。